気まぐれコラム

口紅

教室の片隅に、細い溝に入るような感じで、口紅が落ちていた。


驚きである。

この仕事やってほぼ30年、口紅の落とし物というものは経験したことがなかった。

まず高校生から考える。


いない。

次に中学生。あ!と思う女の子が一人いた。

いやまさか。


しかしこの21世紀も20年近くを経ているから、あり得るかも。

しかし、この口紅だが、私なんかも知ってるMACのもので、たぶん一本で3000円以上する。

中学生の金銭感覚から考えて、これはさすがにおかしい。(高校生でもおかしいかも)


私だって中学生の頃、Leeというジーンズがそれぞれくらいして、どっかの舞台から飛び降りるような覚悟で購入したものである(時代はぜんぜんちがうけど笑)。


そこで思いついたのが、保護者説明会。来会のお母さまである。

これだ、これが答えに違いない。

そう思い、各出席者の方に連絡を取ろうと思って、ふと頭をよぎったのが、ある女子高校生。


中1からいる子なので、申し訳ないことに私の脳内では、彼女が高校生という意識はいまだ全くない笑。

小さい娘、て感じだったので、例えばだが、先日授業に「バイト帰りなんですー」とかで

口紅つけてきたときには、少なからずおどろき、


「ああ、世のお父さんてのは、自分の娘が成長すると、こういう経験をされるのだな」

との思いもよぎったわけであるが、



それでもまさかと思い、この子にLINEをする。画像を添えて。


そしたらどうだ。

娘「あ!私のです!明日受け取ります!」 だって。

えええええ



どうしても信じられず、

私「ほんとかー?」

娘「そーです本当です!ママにもらったんですーー」

私「高校生の口紅の携帯は、刑法134条で禁止されてるの知らんのか」

娘「やだーそんな罪ありません笑笑」

私「あとモアリップとか、複数所持しているようだな。罪刑加算になるぞ」

娘「モアリップは色ないやつですし!笑」

私「しかも、ほぼ中学生が持ってるとなると、これはもう無期(懲役)かと」

娘「ほぼ、じゃなくて高校生なんですけど!! そろそろ変化を受け入れてほしいんですけど笑」


。。。。。(以下省略)


まあ、口紅所持自体は、どうでもいいのである。



お互いに気ごころ知れてると、こういうやりとり、結構心がなごむ 笑

時間を忘れたりする空気が生まれるというか、ふと平和を感じられるというか



という今日の一コマ。