気まぐれコラム

夏の想い出

息つく暇のない夏期講習が終了した。

 

子供たちにとっては、悲しい夏休みの終わりではあるだろうが、私にとっては、比較的に静けさと涼しさを伴った季節が訪れるのは歓迎である。

 

暑い夏でもあった。

 

自分が子供の頃の夏も暑かった記憶があるが、果たしてこれほどだっただろうか、という思いもする。そんな夏の終わりになって、そういえば、夏らしい行動を全くしていなかったことに思い至る。

 

 

夏といえば、自分にとっては、スイカと花火とサザエがすぐに連想される。

 

冷房もない子供の頃は、畳の上に座り、扇風機にあたりながら、テーブルの上に、それまで何日間か水をたたえた緑色のブリキのバケツに入っていたスイカが、母の手によりザクザク切られた形で登場し、若干の塩をふって、自分が大型のカブトムシになった気分も感じながらハシュハシュと次から次へ食べたものである。

 

この、甘いものに塩分を加える、というマリアージュ(笑)は、つい最近になって自分の前に再び現れた。

 

「ソルティライチ」というKIRINから発売されているものである。

 

もう何十年か生きてきて、「これは旨い!」と感動するものが少なくなりかけている昨今、この飲料は初めて飲んだときは、それこそ目を見張るような感動を覚えたものだ。

 

以降、1.5リットルのペットボトルが数本、我が家には常備されている。

 

 

話題が逸れたが、夏の花火は風物詩。

 

子供の頃はお盆の時期に親戚一同が集まり宴が開かれるのが恒例で、会食が終わると家の外へ出て、まずは子供たちだけで花火に興じ、その後大人が見に来る、という流れであった。

 

太目の爆竹に導火線と竹ひご1本がくっついた感じの「ロケット花火」を、空の牛乳瓶に1回7~8本挿し、導火線を一箇所に束ねるように手でまとめて、一気に点火する。

 

シュッシュッ シュッシュッ

 

と一気にオレンジ色の閃光が夜空へ解き放たれていき、

 

パンパンパパン

 

と軽快な連発音が心地よかった。火をつけるのは兄と私の役目で、それより小さい従兄弟たちは、目をキラキラさせて眺めていたものだ。

 

多摩川(二子玉川)の花火を、先日何人かの生徒たちとうちのネイティブとで見に行ったが、そのときネイティブから、「花火があるってことは、何か特別な意味があるのか?何かのお祝いなのか?」と聞かれて、返答に窮してしまった。。。もちろん、歴史的には何かの意味があったのだろうが、われわれ日本人はむしろ当然の行事であり、その質問に対しては情けなくも

 

「夏だから」

 

と答えるのみにとどまり、苦笑するしかなかった(笑)

 

 

海で泳ぐのも大好きだった。

 

1回溺れて死を覚悟したこともあったが、そんな事件があっても海に対して恐怖を感じたことは現在までもない。海の中には、未知の世界があり、2~3m程度潜って、岩の間にウニやサザエが隠れている。ウニは危険だったのでほぼ回避したが、サザエは毎年必ず十数個取ってきて、その日の晩御飯に刺身とつぼ焼きが並び、子供ながらに「僕が取った」と得意げに鼻をふくらませたものである。

 

プールで泳ぐなんて、海に比べたらなんて子供じみたことだろう、なんてことすら思っていた生意気な子供時代だった。

 

 

だが、しっかり泳ぎにのみ専心するのであれば、もちろんプールに勝る水場はない。

 

2013年。暑い、暑すぎる夏。  そうだ、泳ぎに行こう!

 

そう思って、近隣に気軽に行けるプールがあるかを調査した(生徒に聞いただけだが[笑])。

その中で、「緑ヶ丘小学校」という選択肢があった。なんでも、屋内の温水プールで、かつ入場料が大人1人400円という。

 

私の子供の頃は、市営プールの利用料が10円だったものだが(いつの話だ[笑])、まあそれはそれとして、高い金額ではない。そもそも、レジャーランド的な、幾多のサトイモをまとめて洗っているようなプールに、数千円の金額をかける気はさらさらなかったので、心は緑ヶ丘小学校に定まる。

 

自由が丘駅からヤマダ電機経由で、それほど遠くない。一般開放も確かにしているし、時間帯も申し分ない。これをネットで確認して、妻を伴って行ってみた。

 

入る前の更衣室も十分広く、プールの場所へ入ろうとしたら、センサーが作動して、お湯のシャワーが降り注ぎ始める。そもそも公立の小学校で屋内プール自体が感動ものだが、この設備も私にとってはかなり驚くべきものであった。

 

さっそくシャワーを通過し、舞台に上がると、大人10名子供10名くらいで思ったほど混んでおらず、プールが自由に遊べる区域とまっしぐらに泳ぐためだけの3列のレーンの区域の2つに分かれていることが分かった。

 

妻が出てくるまで、軽くひと泳ぎ、と泳行レーンに歩み寄って、人がいなくなったレーンに飛び込み、水中潜水して15mほど進み、息継ぎをして更に潜水して反対側に到着したが・・・

 

係員がそこで待機しており、水面で顔を出した私に、やっと来たなといわんばかりに

 

「ここは一方通行ですから逆向きに泳がないでください。それから、飛び込みも禁止です!」と叱られてしまった(笑)。 

 

ご迷惑をおかけしました。。。

 

その後妻が、更衣室で何のトラブルがあったものか、ようやく出てきてその後はフルに90分、水遊びを楽しむことができた。また是非行きたいものである。

 

 

 

授業ばかりだと家との往復だけで、まあそれはそれで良いのだが、やはり外に出るといろんなことがあるものだ^^

 

やっと、夏を楽しむことができた1日だった。